3月に浜松で行われた「バンド維新」の動画が公開されました。
私の作品「Dialogos-Distance」は、浜松市聖星高校が見事な演奏をしてくれました。
他の作曲家の方々の作品もそれぞれに個性があり興味深いので、ご視聴いただければうれしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=Hm0lBXQPwnU&list=PLIcgdJxno_QhsmY3sX25_KQca7OnyKtKP&index=8
Dialogos-Distance:
未曽有のウィルス拡大で、私たちは否応なしに他者との距離をとって行動せざるを得なくなりました。元来寄り添って合奏する音楽においても新しい演奏形態が登場し、隔たりがある中での対話の意味について、改めて考えさせられることです。
この作品は、そのような状況下で出会った様々な演奏会に発想を得て作曲されました。
曲は、「対話―距離」と訳されるタイトルに表されるように、“隔たり”のある他者との間に生じた“意味の流れ”が、やがて新たな理解に至り、共に創造的世界へ集結するというイメージによって書かれています。
曲を構成するにあたり、大いなる存在としての”FATHER(父)”という言葉を曲の中心に据えています。“ファ、ラ、レ♯、シ、ミ、レ” という音名に変換されたその言葉は、音組織の基として構成され、移り変わる様々な楽想において終始共有されるようになっています。また、FATHERという文字に含まれる様々な単語も音に読み替えられ、素材として随所に使用されています。
対話の深みが距離というハンディを凌駕する世界を夢見つつ、フレッシュな演奏を楽しみにしています。